北ローヌヴァレィでのワインテイスティング

ボルドーからリヨンに帰ってきて、今度はリヨンの南50kmに位置する北ローヌヴァレイのイヴ・キュイルロン(Yves Cuilleron)のカーヴに行ってみることにしました。十分日帰りできる距離です。

ローㇴ・ヴァレイは北と南とがあり、北ローヌで栽培されるブドウ品種は赤はシラー白はヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌが主なものです。

AOCには南北ローヌにまたがった地方AOCのCôte-du Rhône コート・デュ・ローヌ、村単位のAOCが8つあり、Côte Rôtie コート・ロティ, Condrieu,コンドリユー Château-Grillet, シャトー・グリレSaint Joseph,サン・ジョセフ、 Crozes-Hermitage,クローズ・エルミタージュ Hermitage, エルミタージュCornas, コルナス Saint-Pérayサン・ペレの8つになります。 

今回訪れたイヴ・キュイルロン(Yves Cuilleron)でも複数のAOCワインが作られています。

アンピュイ(Ampuis)で高速を出ると、道すがらに日本でも有名なE. GUIGAL Chapoutierのブドウ畑が広がります。

日本でローㇴのワインはまだまだ知名度が低いですが、私はローㇴ地方に20年住んだこともあり、やはり地元のシラーや、ヴィオニエは大好きです。

とはいえ、北ローヌのブドウ畑を見るのは今回初めて。ボルドーに比べるとずっと規模が小さく、平地が多かったボルドーに比べると、急斜面に背の高いブドウの樹が植えられている印象を受けました。

道路のすぐ横にもブドウ畑があったので、ちょっと車をとめて、ブドウを一粒頂いてみました。

爽やかな酸味のシラー。アンピュイ(Ampuis)といえば、Côte Rôtie コート・ロティ。

北ローヌのシラーの王様のようなAOCワインですが、このブドウでコート・ロティが作られるのかと思うとワクワクしました。

急斜面なので、日射量が大きい代わりに手作業でしかできないことが、現地に来ると良くわかります。

山の上まで行って、畑を見下ろしてみることにしました。

ローヌ河沿いの急斜面にブドウ畑があることが良くわかります。


さて、カーヴ・イヴ・キュイルロンでは、白赤各4種類、計8種類のテイスティングができます。

サンジョセフ、サン・ペレイ、クロズ・エルミタージュ、コンドリユーの4種類、

サン・ジョセフを2種類と、クロズ・エルミタージュ、そして、コート・ロティ

白はどれも初めてのものばかり。

なぜか、赤ばかり飲んでいて、白ワインはブルゴーニュという観念があったことに気づきます。

初めて飲むサン・ジョセフ白は、とてもフルーティでやや甘口、ミラベルの香りがしました。

サン・ペレイ、こちらの初めてですが、いつも、なんて表現するのだろうと思っていた、口に当たる硬質な苦みをミネラルと呼ぶと、私と同様WSET2(ワイン国際ディプロム)を取ったばかりのティステング担当の女性が教えてくれました。

クロズ・エルミタージュ白はミネラル、グレープフルーツ、辛口で、かすかにトリュフの香り。

コンドリユーは、とてもアロマティックなヴィオニエ種を使ったワイン。

ミネラル、フルーティ、熟していない若い白桃、熟していない若いミラベルの風味。

最終的には、サン・ジョセフ白とコンドリユーが私の好みでした。

そして、赤。

サン・ジョセフを2種類とクロズ・エルミタージュ、とコート・ロティ

サン・ジョセフは今すぐ飲めるものと、保存用の2種類。

クロズ・エルミタージュ にはチョコレート、熟れた赤い果実のアロマ、とても香りがよく、アストリンゼントな感じで、タンニンが多く、辛口。

普段あまり、クロズ・エルミタージュを美味しいとは思わないのですが、これは、あと数年寝かせたら、さらに美味しくなると思いました。

サン・ジョセフ 今からも飲める方は、アニマル、チョコレート、たばこ、皮、胡椒、素晴らしいバランス、タンニンはさほど多くなく、全体のハーモニーが素晴らしい。

これぞシラーと言う感じで、地元感満載。

美味しいよねーと相手をして下さった女性を思わずうなづきあいました。

そして王様コート・ロティ

アニマル、オーク臭、ブラックベリー、バニラ、後味に何か甘い感じ、シガー、ばら、チェリー、皮、熟した黒い果実、バランスが良い。もう少し寝かせたほうがいいかもですが、素晴らしい。

やっぱりシラ―は美味しい。

この4種類とも全てブドウ品種はシラー。同じセパージュでこんなに違うのは驚きです。

「なぜこんなに風味にもアロマにも差が出るのですか?」と質問すると、

「ブドウを栽培する場所が違うから」だそうです。

これぞ、テロワールの力。

ちなみに熟成用の樽は余分なタンニンを取るために旧樽を使用するとのこと。

この辺りは、新樽しか使わないボルドーとは違うところです。

それにしても、やっぱりシラーはおいしい。このちょっとワイルドなところがたまらなく好きです。しかも同じシラーなのに、それぞれに個性があって素晴らしい。

ワインは奥が深いですね。

今回はサン・ジョセフの白が大発見だったのと、赤もやっぱりサン・ジョセフコート・ロティがおいしかったです。

時間をかけて、いろいろおしゃべりしながらのテイスティングはとても勉強になりました。






Winery Visits in France

在仏20年のワイン好きの私が、フランスのワイナリーヴィジットなど、ワインについて書いています。

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