ブルゴーニュの南端・プイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)へ散歩に

昨日の土曜の午後、定番お供の息子ラファエルとともに、ブルゴーニュの南西端に位置するプイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)に行ってきました。

本当は天気予報に反してお天気が回復したので、ボジョレーで午後の散歩!の予定でA6(パリに続く高速道路)へ。

ところが、音楽ボリュームが大きすぎてGPSの声が聞こえなかったのか、GPSが途中でサボったのか、気が付いたらマコン(Mâcon)近くにまで来ていました。笑笑


せっかくブルゴーニュの最南端マコンまで来たので、どこか面白いワイン生産地はないかと地図を見てみると.....。

8km西、車で11分のところにプイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)があるではありませんか!(ちゃんと地理関係、知っていようよ、と自分に言い聞かせました。)

下の地図、マコンの左側の黄色い大きな部分がプイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)AOCです。

ということで、予定大変更。

ブルゴーニュ、マコネ地区のプイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)に行ってみることにしました。

急な予定変更だったので、カーヴは全然予約はしておらず、マコン観光局おすすめの一つ、土曜の午後に予約なしで開いているカーヴのひとつ、ソリュトレ・プイィ(Solutré-Pouilly)にある L’Atrium に行ってみることにしました。

まずはプイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)の説明を少しさせて下さい。


プイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)AOCはマコンの南西部にあり、フュイッセ(Fuissé)、シャントレ(Chaintré)、ソリュトレ・プイィ(Solutré-Pouilly)、ヴェルジソン(Vergisson)の南北に連なる4つの村からなっています。

位置関係は地図を見て下さいね。

プイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)の耕作面積は758,51 ha。生産者数は250。

200区画ありますが、2020年9月3日にこのうち22区画がプルミエ・クリュを名乗ることができることが決まりました。

栽培されているブドウ品種はシャルドネのみ。

ブドウ畑は海抜 200 ~ 400 メートルの位置にあって、他のブルゴーニュの地同様に、地質的にバライエティーに富んでいます。

地質的には、硬い石灰岩でできた土壌が表面の 3 分の 1 近くを占めており、硬い石灰岩よりもボリュームの小さい泥灰土石灰岩と泥灰土の土壌は、プイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)AOCの中央部にまとまっています。

最古の岩はジュラ紀のもので、この4つの村にまたがっています。

また、プイィ、フュッセ、特にシェントレでは、かなり深い残留粘土の土壌が占めている場所があるということで、この点も味わいの違いを生んでいると言えるのだと思います。

硬い石灰岩が多いということが、特徴のひとつであるミネラル感を生む理由のひとつなのでしょうね。

ということで、プイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)AOCと一括りにされることの多い、このAOCのワインの4つの村のうち、2つとAtrium の「コレクション」のベストワインを、味あわせてもらうことになりました。


アトリウムAtriumでティスティングできるアトリウムAtrium 「コレクション」とは?

20の生産者がそれぞれのワインを持ち寄り、ブラインド・ティスティングによって選ばれたその年のワインが、Atriumのラベルで売り出される仕組みになっています。

ラベルにはC(シャントレ)、F(フュイッセ)のように村の名前の最初のアルファベットが記されています。

中身は毎年ブラインド・ティステングで選ばれるので、ラベルは同じでも、毎年作り手は変わってくる可能性があるということです。

本来は6種類全てのティスティングが可能なのだそうですが、現行衛生上の問題で、3種類のみ。

私は一番南に位置するシャントレ(Chaintré)とフュイッセ(Fuissé)と、全ての中で一番に選ばれたワインの3種類をティスティングさせてもらいました。

シャントレのワインは、プイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)AOCには珍しく、ミネラル感がほとんどなく、有核果実もあまり感じられません。

私が取れたのは、白桃、リンデン、アカシア、グレープフルーツなどの爽やかで可憐なアロマ。粘性が高く、酸味は控えめで、さっぱり清楚でありながらまったりと丸い感じ。

白いコットンレースのワンピースを着た大人に変貌しつつある女の子というイメージでした。

シャントレは石灰質というよりは、粘土土壌がメインというや南に位置していることも、このような味わいを生み出すことの要因になっているのでしょうか。

一言にブルゴーニュといっても、ブルゴーニュ北部とプイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)では収穫期に1-2週間の差異があるということですから、テロワールのワインのスタイルへの影響は大きいのだと思います。

2つ目のフュイッセ(Fuissé)のシャルドネは、ミネラル感あり。

シャントレのシャルドネよりも爽やかなで、ちょっとメタリックな飲み口。

こちらではミネラル感のほかに、アカシア、リンデン、白桃、レモン、アプリコット、ハチミツなどが感じられ、いわゆるところのプイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)の味わいはこんな感じかしら?と思うようなワインでした。

そして最後に頂いたのは、ブラインド・ティステングで1番評判の高かったワイン。

ハチミツやトースト、アプリコット、白桃、レモン、アーモンド、パイナップル、マンゴ、バターといった美味しいワインのアロマがたっぷり。

さすがに一番とブラインド・ティステングで認められたワインです。

ワイン初心者の息子は3番目がお気に入りだった様子。

でも私のフィーリングに1番あったのは、らしくない1番でした。

知らず知らずのうちに、ライトでフルーティな感じを求めているのかもしれません。


フランスの生産者を訪れた際に何度か聞いた言葉は、「今は軽さ、ライト感覚が求められている!」というもの。

ママ友だったカヴィストに「タベルTavel」のロゼと言ったら、「タベルは色が濃くって重くって今は流行らないのよ!ロゼならこっち!」とコート・プロヴァンスCotês Provence を勧められたのは記憶に新しい。

最近アロマティックな白を良く飲むようになったのも、どこかでライト感覚を求めているからかもしれません…。

今回、偶然にも3つのプイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)AOCを飲んでみて、感じたことは、「思ってたより、ずっと美味しい。」という単純なものです。

ブルゴーニュの白というと、日本ではモンラッシェ!と思われると思いますが、プイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)AOCのように、ブルゴーニュでありながら、比較的、気軽に手が届く価格帯の美味しいAOCもあります。

また今度、ちゃんと下調べをして、高評価のドメーヌのプイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)AOCも飲んでみたいなあと思います。

最近は白にハマっていて、いろいろ試しております。

また次回書きますが、シャトーヌフ・デュ・パップの白も、コート・デュ・ローㇴの白も、サン・ジョセフの白も美味しいんですよねぇ。

ということで、最後まで拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

以下は、Vins de Bourgogneのサイトからお料理とのマリアージュ情報を略訳したものです。

白: リッチで複雑なプイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)のアペラシオンは、ミネラル感が特徴で、ノーブルな甲殻類、エビ、ロブスター、また調理したフォアグラにも適しています。

酸味としなやかさが絶妙なバランスで、仔牛や家禽のクリームソースなどの白身肉、ヤギのチーズともよく合います。

プイイ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)の薫り高いアロマは、クスクスや魚のタジン、エビのの甘酸っぱいソースなど、エキゾチックでスパイシーな香り高い料理ともマッチします。

お寿司は、Pouilly-Fuissé アペラシオンのミネラル分との相性バッチリです。

サービング温度:11~13℃

Winery Visits in France

在仏20年のワイン好きの私が、フランスのワイナリーヴィジットなど、ワインについて書いています。

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